統合失調症の人が週に2回、フィットネスセンターやジムで1時間の運動をすると、症状の重さが減少します。リオデジャネイロ連邦大学の研究者が、学術誌「Revista Brasileira de Psiquiatria」に掲載された論文で、このことを書いています。このグループでは、単純な筋力トレーニングが最も良い効果をもたらしますが、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることでも効果が得られます。
統合失調症の症状
統合失調症は、精神医学の分野で最も深刻な精神疾患の一つです。統合失調症を患っている人は、現実的でしばしば恐ろしい幻覚を見るようになり、正常な機能を維持することが不可能になるほど妨害されます。統合失調症の患者は、声を聞いたり、現実ではないものを見たりします。
空想の世界に支配された統合失調症患者は、しばしば明確な思考ができず、多動性や攻撃性を持ち、自分が救世主であると考えたり、超自然的な力を持っていると思ったり、偏執的になったり、迫害マニアになったりすることもあります。そのような症状を陽性症状といいます。
幻覚は、クロルプロマジン、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ハロペリドールなどの抗精神病薬で抑制することができる。統合失調症の人は、陰性症状を発症することもあります。感情的・社会的に引っ込み思案になり、受動的な行動をとり、抽象的な思考が困難になることもあります。統合失調症患者の多くは、陽性症状と陰性症状を繰り返しています。陰性症状が優勢なサイクルと、陽性症状が優勢なサイクルが交互に繰り返される。陽性症状のある段階は精神病とも呼ばれます。抗精神病薬は、陽性症状よりも陰性症状のコントロールに効果がない。実際、抗精神病薬は時にネガティブな症状を悪化させることがあります。の症状が出ます。
統合失調症の経過に対する筋力トレーニングの効果に関する研究
ブラジルでは、統合失調症を患っている34人を対象に、全員が薬を使って病気を抑えているという実験を行いました。研究者たちは、被験者を3つのグループに分けました。コントロールグループは、実験が続いている間、20週間全く何もしませんでした。2つ目のグループは、週に2回、1時間、ジムでウェイトトレーニングを行いました。このグループは、筋力トレーニングのみを行いました。3つ目のグループも週2回、1時間のトレーニングを行いました。このグループは、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせたトレーニング（同時トレーニング）を行いました。実験開始の少し前、20週目の途中と最後に、ブラジル人は被験者にポジティブなシンドロームとネガティブなシンドロームの尺度でアンケートをとった。双方の最高得点は7点、最低得点は49点でした。
また、ポジティブ＆ネガティブ・シンドローム・スケールの質問票は、一般精神病理学の程度を測定します。一般精神病理学とは、集中力の欠如、不安、罪悪感、ストレスなど、ほとんどの人が一度は経験する幅広い心理的症状のことです。一般精神病理学の最高得点は16点、最低得点は112点です。
有酸素運動と筋力トレーニングの症状への影響
対照群のスコアは、実験を通して変化しなかった。
その結果、2つの実験グループで改善されました。特に筋力トレーニングを行った患者さんでは、改善が見られました。
筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせた被験者にも、ある程度の改善が見られました。しかし、これは筋力トレーニングのみを行った患者に比べて顕著ではありませんでした。
筋力トレーニングがどのようにして統合失調症の症状を軽減するのかは研究者にもわかりません。彼らは当初、筋力トレーニングによってIGF-1やBDNFの濃度が上昇することを想定していました。この成長因子は、統合失調症患者の脳の欠陥を修復すると考えられていました。しかし、実験グループの被験者では、IGF-1やBDNFレベルの上昇は見られなかったという。
体を動かすことは、統合失調症の非薬物治療として用いることができます。
ブラジルの研究者たちは、「我々の結果は、外部のレジスタンストレーニングや同時に行う運動プログラムが、統合失調症患者の症状を改善することを示している」と書いている。
「この研究は、統合失調症の治療における非薬物戦略として、筋力トレーニングや筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせの重要性を強調しています。週に2回、緩やかな運動を行うだけで効果が得られます。運動は、重要で安価な治療手段です。
